有権者が立候補者に求めるもの

2020年3月8日

各種議員を選ぶ選挙において、有権者は何を基準に選んでいるのか、少し思考を巡らしてみたい。

地方選挙において、立候補者はごく身近な存在であることが多い。従って候補者の日常を本人を知らなくても友人や近所の人たちとの会話の中である程度知ることは可能である。また、特定の宗教団体などに属している場合は、その団体が設立した政治団体に所属しているというだけの理由で選ぶこともありうる。

左派系の候補者だと、思想信条を一にすることなどもあろうが、多くは労働組合などの代表として立候補されてい方が殆どで、所謂サラリーマンなどの支持を受けることが多い。

とはいえ、短い選挙期間において、有権者がその立候補者の人となりを知ろうと思えば、候補者のホームページにアクセスして、政治信条や職歴・学歴を調べるのが一番の方法である。

しかし乍ら、今日の地方選挙において候補者がホームページを作成されているとは限らず、facebookやtwitterなどのSNSなどを利用しておられたとしても、プロフィールを書ける文字数には制限がある。過去の記事を丹念に探してゆく余裕など一般の人にはないので、選挙公報の配布を待つしか方法はない。

候補者は如何に自分がこの選挙に於いて、他の候補者より優れているかを堂々と主張されるべきであり、その為には出来るだけ判り易いホームページを作成するのが必須となってくる。
だが残念ながら、昨今の地方選挙で候補者のホームページを見つけることは滅多にない。辛うじてfacebook,twitterで幾分かの情報を発信されているに過ぎないのが現状である。

結局は各候補者共に、情報発信という意味において、有権者に対し真摯な態度をとっておられるとは言い難い。以前と違い、wordpressを使えば簡単にホームページを作ることが出来る時代になっている。にも拘わらず旧態のまま何の進歩もないのは、「情報弱者」であるということを自ら公表しているようなものである。その事さえも自覚しておられないのであろう。

厳しい選挙戦を勝ち抜く為には、合法的なあらゆる選択肢を駆使すべきである。

次期衆議院選挙に向けて、各党は候補者の擁立に動いておられ、現段階ではもう殆ど立候補者は確定していることと思う。

ここで、昨今世間を賑わしているN国党の候補者一覧を見て、感想を述べたい。

党首立花氏の意向により、各候補者のプロフィールを公表しないとされており、写真とお名前だけであったが、今年になってからだろうか、各人のyoutubeとtwitterだけにはリンクが張られるようになった。
youtube,twitterにもプロフィールを書くことが出来るので、何人かは書いておられるが、文字数に制限があることもあって、極僅かなことしか書くことが出来ない。これでは有権者は十分な情報を得ることができず、長々と記録されたyoutubeを一から見てくれと言われても、そんな時間はないので、やはり文字に直して、簡潔に主張されるべきであろう。

これはどの政党にでも言えることだが、プロフィールの書き方一つでその本人だけでなく、政党の姿勢まで問われることとなる。学歴・職歴に一つでも嘘偽りがあれば、それを公表することを許した政党自体が不誠実であるという結論になる。

一番問題が多いのは大学を卒業されていない方の学歴表示である。少しでも良く見せようと思われるからであろうが、大学で行われている市民講座を受講したことを、さも社会人大学を卒業したと誤認させるような表現を用いて書いておられあるのが散見される。

公人であるので敢て書かせて頂くが、日本維新の会幹事長の馬場伸幸氏は学歴・職歴の区分をつけず、「平成4年2月 上智大学社会人コースでもっと自分自身を磨く為、心理学を学ぶ。」と記載されている。
これを書くならば、上智大学で開催されている「公開講座」で心理学を受講したと書くべきで、受講の期間・単位の認定の為の試験があるのか、この受講が大学へ入学した時に、単位として認定出来るものなのかどうか、そこまで踏み込んで書くべきであろう。
非情に曖昧な表現で、知識のない有権者は、社会人になってから上智大学の社会人向けの学部を卒業したと誤認する危険性があるものである。

また、同党の中野とし子氏は【学歴】として堂々と
The Art Students of League of NY
上智大学ソフィア・コミュニティカレッジ
夙川学院短期大学 卒業
と書かれている。


The Art Students of League of NY はアメリカの教育機関認定制度の認証を得ていない単なる美術・芸術関係の専門校であり、また、 上智大学ソフィア・コミュニティカレッジ は、前記の馬場氏と同じ、上智大学で実施されている市民公開講座である。
学歴と記述すべきなのは教育機関として認定された学校のことをいい、これらの講座受講は何の学歴にもならない。

このような表現は有権者をさも大学を卒業したかのように誤認させる危険性があり、極めて不誠実な表示であると言わざると得ない。

何か維新の会メンバーを非難しているかのようだが、中には非常に素晴らしい方もおられるので、その方をご紹介することでプラマイゼロとして頂きたい。

大阪維新の会が結成され、初めての地方選挙で当選された伊藤良夏さんは、金蘭短期大学のご出身だったが、後に大阪市立大学大学院創造都市研究科へ入学され、無事修了されている。短大出身なこともあったのだと思うが、通常2年の処を3年かけて修了されている。十分納得できるものである。
その後、結婚・出産を経て今は議員の席を妹さんに譲っておられるが、恐らく次期衆院選には出馬されるのではないかと思料される。私はこの方を高く評価している。

当選後、橋下徹氏は府議・市議達が余りにも低レベルなことから、大学院へ入学し勉強せよと叱咤されたことがあった。彼女はその教えを忠実に守り、大阪市立大学大学院へ入学して研鑽を積まれた。維新のホームページから各議員のプロフィールを見ても、誰一人として大学院へ進学し、修了された方を見つけることは出来ない。

今、大阪維新の会のサイトに彼女は掲載されていない。ご実家の保育園が大きくなり、仕事量が増えていることも考えると、暫く政治の世界から身を引かれたのかもしれない。モデルとして事務所に所属されてもいる。まだ流動的であるが、私は彼女のような有能な女性は国政に入って頂いた方が良いと考えている。何れにせよ、政治の世界と誠実に向き合い、自己陶冶を続けておられることに敬意を表している。

翻って、話題のN国党は途切れることなく地方選挙を戦っているので、毎日ツイッターでN国党関係者の呟きが絶えない。

今までは有象無象が寄り集まった集団であったが、次期衆院戦に向けて急遽募集した美女・美男軍団には、中々優秀な人材も集まってきているように感じる。

先日候補者同士の親睦を図ろうと懇親会を企画された本間あきこさんは、WEBデザイナー会社を経営されているだけあり、見事な采配を振られたと感じている。彼女は中卒だとyoutubeで語っておられたが、いやいや、そこらの著名大学卒業者でもあれだけ企画・行動力のある方はそう多くない。

結婚されており、ご主人と複数のお子様を持つ主婦であり、WEBデザインの法人代表者でもある。お子様の成長を待たれてからで良いから、高卒認定試験に挑戦し、また、その後大学・大学院へも進学して頂きたいと願う。彼女なら十分やり遂げられるだろう。

先般、朝霞市で市議に当選された原田氏は、「ピカピカの大学1年生です」とtwitterに書いておられた。氏の向学心には頭が下がるばかりである。放送大学には修士・博士課程まで出来ているので、ゆっくり学業に励んで頂きたいものである。

結論として、選挙に立候補される方は、自らの政治信条や学歴・職歴などを、包み隠さず正直に有権者に公表すべきであり、そこに嘘や誤魔化しがあると、本人だけでなく同党の他候補者を含め、最も大事な信用を落とすことに繋がる。ネットでの発信を甘く見てはいけない。有権者は日々情報に明るくなっていることを自覚すべきである。

天網恢恢(てんもうかいかい)疎にして漏らさず